ドラマ3本ドキュメンタリー4本の計7本を一挙上映
日本映画大学3期生の卒業制作上映会で全7本の作品を観てきました。
かねてから今年はレベルが高いとの噂を聞いていましたが確かにその通りでした。
今年の卒制を一言で言うならば、全作において“優しさ”を強く感じる年でした。
作品の題材自体は難しい問題や重めのものも多かったですが、
いずれもその根底の部分には救いや希望、そして深い愛情が込められていました。
また観客が想像し得ない(当事者や向き合った人間にしか分からない)
別の一面なども映像を通してしっかりと伝わってきました。これぞ映画の醍醐味だと思います。
私個人的には泥臭いものよりもこういった温かみのある系統の作品の方が好きなので、
今日は観ていてとても良い気分になりました。(一方で7本一気に観るのは勿体ない気もしました)
統一のテーマ設定はないが全作「生きること」に向き合っている不思議
制作にあたり大学の方で統一のテーマを設けていないにも関わらず、
どこか一貫性のある7作品に見えるような印象を受けました。
半ば私の勝手なこじつけのような気がしないでもないので、
異論はあるかもしれませんが全7作品を観てそんな風に感じました。
「乙女よ、走れ」では恋愛に悩む等身大の高校生のピュアな生き様が描かれ、
「それでもいきていく」では障害と向き合いながら可能性を信じ生きていく家族が描かれ、
「沢のぼり」では亡き父が残した大切な思い出と共に生きている家族が描かれ、
「こるはの独唱」ではフィリピンで自決した伯父の過去の生き様を探り、
「ひいくんのあるく町」では時代と共に変わりゆく町や人の生き様が描かれ、
「キャンバスの景色」では仕事に生きる女性介護士の慎ましい姿が描かれ、
「鶴追人」では壮大な自然の中でタンチョウと共生する写真家の姿が描かれていました。
いろいろな“生”を感じさせられる7作品でした。
映画学校から映画大学にかけての変化
私は日本映画大学の1期卒業生ですが、高校3年の頃から日本映画学校の卒制上映会に通っているので
実に6期分(映画学校3期分+映画大学3期)を全作スクリーンで観ていることになります。
※参考(お恥ずかしい限りですが)
2011年3月7日、当時高校3年生の私が書いた上映会のブログ記事
こんな1期生は私の他にいないと自負していますがそれはさておき・・・・・・、
日本映画学校の卒制から日本映画大学の卒制にかけて少しずつ毛色が変化してきているような
気がします。今年はそれが顕著に現れた年ではないでしょうか。
『沢のぼり』のメイキングでは全スタッフで一つの円陣を組み監督の掛け声で心を一つにして
ロケに臨む姿がありましたが、1期生の卒制現場では(少なくとも私がいた組では)そんな感じ
にはなりませんでした。一生懸命やっていたことに変わりはありませんが、どちらかというと
円陣?それより段取りやろうよ?みたいな空気の方が濃かった印象です。
こう言うと語弊があるかもしれませんが、決して3期生の空気を否定している訳ではなく、
むしろ私はそういった気持ちでの映画作りこそ作品のためにも良いのではないかと思います。
私はどの作品にも、この時代、この世代にしか出せない力が滲み出ているように感じました。
また、会場で配布された上映会のパンフレット後半にまとめられた学生レポート特集の内容も
全体的に前向きなものや温かいものが多くなっています。
中でも印象に残ったのはこの一節です。(パンフレットより引用)
大学4年間の最後の作品を、この班で作ることが出来て良かった。
こんな経験は社会に出てから出来ることはないと講師の方は言うが、
今回のような作品をいつかまた作りたい。
映画の現場はきれいごとだけでは回らないぞという意味も含んだ教えなのだと思います。
ただ、今感じている純粋な気持ちは将来の自分にとっても必ず救いになる尊いものであるし、
今回のような作品が今後撮れるか撮れないかを決めるのは講師でも他の誰でもなく、
自分自身であるのだと私は思います。
ということで、今回はこの辺で終わりたいと思います。
3期生の皆さん良いものを観せて頂きありがとうございました。
P.S.
会場配布パンフレットに2/25の田中光敏監督と津田寛治さんのイベントチラシを折り込んで頂き
ありがとうございました。私も運営で関わっているイベントです。ご興味ありましたら是非。
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