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憧れの映画人 大林宣彦監督との出会い
- 2016/1/16
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先日、YouTubeで2016区長新春対談(クリックで世田谷区のYouTube動画にジャンプします)を見ました。
世田谷区長がゲストと対談する新春恒例の企画に今年は映画作家の大林宣彦さんが迎えられました。
大林さんは世田谷に55年住まわれているそうです。
40分を超える対談の中では昨年世田谷にオープンした平和資料館の話や映画の話、世田谷の話などが取り上げられています。要約文はこちら→http://www.city.setagaya.lg.jp/static/oshirase20160101/p02_001.html
これまで尾道3部作をはじめ、たくさんの古里映画を撮られている大林監督、私にとって憧れの監督です。来年夏には佐賀県の唐津を舞台にした新作「花筐(はながたみ)」の撮影を控えているそうです。
“新しいことをやるのには何の抵抗もない”
対談の中で大林監督がおっしゃっていますが私も全く同じように思います。
今日はそんな憧れの大林監督に初めてお会いした時のことを書きたいと思います。
それは昨年の7月19日でした。
大林宣彦×中川右介×大林千茱萸 「いかに仕事を面白くし、人生を愉しむか」
『大林宣彦の体験的仕事論』(PHP新書)刊行記念トークイベント
下北沢のレトロな本屋で開かれたトークイベントで質疑応答の際に初めて大林監督と言葉を交わしました。ここだけ抜粋すると語弊があるかもしれませんが、トークの中で『市長になりたいやつが市長になるな』というお話が出たのでその流れで質問をしてみました。
私:『映画監督になりたい』と考えることはどうなのでしょうか?
大林監督:僕に言わせれば伝えたいことを映画を使って(世の中に)伝える。銀行員になるよりも映画で対話することに魅力を感じるならば映画の道に進めばいい。
映画監督になりたいということを目標に置くのではなく、自身が世の中に伝えたいことを映画の力を借りて伝えていくというのが映画監督として生きる上での使命であるということに気付かされました。私はこれまでも映画監督という肩書きが欲しくて映画をやっていた訳ではありませんが、このお答えを聞いてすごく納得することができました。それに、銀行員になるよりも映画で対話することに魅力を感じるので、これからも映画の道を突き進んでいきたいと思います。
大林監督は、回答後このように続けられました。
80過ぎた黒澤監督は僕にこう言った。大林君、僕が400歳まで生きることができたなら世界を映画で平和にすることができる。しかし、僕も400年は生きられない。だから君がその続きをやってくれ。君だけで終わらなければ君の子や孫が続ければいい。そうしたらいつか平和な世界ができる。
映画をやるということはそういう伝統の中に入るということなんだよ。だから映画を全部見なければいけない。僕は全部見ている。過去に敬意を払わなければならない。
その上で、
僕と君でこれから何かが始まる可能性もあるんだよ。
ともおっしゃられました。このお言葉が今も強く心に残っています。
いつか近いうちに大林監督とご一緒できる日が来ることを心から願ってやみません。
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