映画監督田中光敏氏による講演会「映像と町おこしについて」
- 2016/11/20
- 映画イベント
先日、映画監督田中光敏さん(「海難1890」「サクラサク」)の講演会で助手を務めさせて頂きました。田中監督は全国各地で地方を舞台にした映画を撮られている監督で、福井でも美浜町やあわら市での製作実績がある方です。
映画での町おこしを主に活動している私にとっても非常にためになる講演で多くのヒントを得ることができました。講演会レポートのショートバージョンは田中監督のホームページに掲載されておりますので、当ホームページにはもう少し内容を深めたロングバージョンを掲載いたします。(※掲載許可は頂いております)
《田中光敏監督基調講演レポート》
去る11月18日、ふくい南青山291にて全国アンテナショップ連絡会が開催され、各地の店舗関係者およそ30名が一堂に会しました。本日はその中で行われた映画監督の田中光敏氏による基調講演の模様をご報告いたします。
「僕の作品は全部、舞台となる町の人たちが故郷を愛しその良さを他の人たちに伝えたいと思い作られています」と語る田中監督は、最近”故郷”についてよく考えられるそうです。講演は監督が手掛けた初期の作品から最新作「海難1890」までを辿る形で始まりました。その中で一貫しておっしゃられていたことは、どの作品のロケでも非常にたくさんの市町村からバックアップがありお礼の申し分がないということでした。
「精霊流し」では祭りを実際に再現するため、5,000名ものエキストラに協力して頂き、「サクラサク」では町民を中心に登録された1,800名の応援隊に、炊き出しから交通整理、エキストラ出演まで手広く支援して頂いたそうです。
特に「サクラサク」でラストシーンの舞台となった福井県三方郡美浜町は、撮影協力だけでなく出資まで行う程の応援体制でした。監督によるとこうした一自治体による作品への出資は映画界でも極めて珍しく、美浜町が初めてだったそうです。その甲斐もあってか、映画完成から3年が経つ今でも町や教育機関での上映が続けられているとのことです。
美浜町民がいかに自分たちの町を自分たちの手で盛り上げようとしていたかを熱弁されたところで、話題は監督の地元北海道浦河郡浦河町のPR動画に移ります。作品製作にあたり町の人に「こんな何もないところでどういう風にPRビデオを作りますか?」と訊ねられた監督は、まず大人たちが自分の住んでいる町に自信を持ちPRすべきだと強く訴えかけたそうです。作品は地元出身の著名俳優の協力も得て、完成尺に対し通常の撮影期間を大幅に上回る1年(のべ撮影日数1ヶ月)もの歳月をかけ丁寧に仕上げられました。
他に福井県あわら市の市民や全国にいる芦原温泉のファンと一丸となり製作された観光ショートムービー「AWARA HAPPY FILM」の撮影秘話が紹介されました。監督はこのように地域と手を取り合いながら作る作品に対し、「映画は決して主人公ではなく本当の主人公は町にいる人たち」だとおっしゃられていました。
監督は最後に永六輔氏や坂口安吾氏などの著名人による故郷を表した5つの名言を取り上げ、「人々にとって故郷はとても大切なところです。アンテナショップの皆さんには、大切な地元のものを欲しいと思った時、寄り添いたいなと思った時に僕たちの心を少しでも癒して頂ければ幸いです」と締めくくり、1時間に渡る基調講演は幕を閉じました。
“映画で敦賀を盛り上げる”をテーマに一人の映画人として修業中の私ですが、今回田中監督の映画に対する熱い姿勢と数々の実績についてお話を伺い、多くの刺激と今後の身の振り方におけるヒントを得ることができました。この経験を生かし、引き続き敦賀の映画による町おこしに尽力していきたいと思います。
文責:山下大裕
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