主催者側に立つ時の気持ちの良い物販の売り方とは?
- 2016/2/13
- 考え事
小劇場へ舞台を観に行くとカーテンコールが終わった後に主宰の挨拶+物販の告知がよく行われます。
コメディ色の強い役柄を演じた役者や時にはメインの役者がTシャツやパンフレット、DVDなどのグッズを手に販売促進するのですが、これが結構作品の余韻をぶち壊してしまったりします。せっかくいい芝居を観て余韻に浸っているところに、素面に戻った役者が出てきてグッズの購入を迫るというのが何だか安っぽく見えてしまって足早に去りたくなることが過去に何度もありました。普通に告知しているならともかく客席に向かって『みなさん欲しいですよね!』などと迫り、周りの役者もそれに重ねるかのように欲しい欲しいと同調する仕草をしてみたり『グッズを買ってからお帰りください』などと半ば強制する場に出くわした日には災難です。仮に欲しいものがあっても興ざめしてしまうぐらい告知の仕方が残念だなと思うことが結構あります。
客視点でこれだけ偉そうなことを思ってしまうのですが、かくいう私も告知する側に立ったことがあります。自分の映画を上映する際にパンフレットやTシャツ、主題歌CDなどの告知をする機会があるのですがいつも気を遣います。何も言わないのもどうかと思いますが、押しつけがましく聞こえるのも絶対に避けたいところです。しかしあまりに遠慮し過ぎて、もし本当にお気に召したら買ってくださいという感じでPRすると今度は商品に自信がないのかという疑念も抱かせてしまいそうです。一番の理想は、何をいくらで売っていてどんな商品価値があるのかということをシンプルに伝えられることだと思いますが、これは意外と難しい気がします。
イソップ童話の北風と太陽のように、押しつけがましい告知をするのではなくグッズのTシャツを着て『ありがとうございました』と頭を下げて客出ししていれば目に留まった方は買ってくれるでしょうか?
この記事を書いている間に思い出したのですが、映画館に行くと劇場スタッフは作品グッズの告知をあまりしていないですよね。それでも買っていく人は買っていきますし中には売り切れになる商品も出てきます。その上、こうしてグッズの告知を大々的にしていなくてもここの劇場スタッフはやる気ないななどと思われることはおそらくないはずです。お互いに無理なく成り立っているので形としては成功しているように思えます。我々もこの事例を参考にしていいのでしょうか?またちょっと違いますかね?
これからもこういう機会はあると思うので気持ちの良い売り方をできれば習得したいです。
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